指ぬきを飾るためのシンブルラック
目黒区のK様よりのご注文。
今回は完全な新規の製作ではなく、K様がご自分で
作られたシンブルラックをバージョンアップするべく、
外側にぐるっとナラ材のフレームを回し、天地板と
ガラス入りの扉をつけるというご依頼でした。
シンブルとは、スプーンと並んで欧米でお土産や
コレクションの対象になっている金属や陶器の指貫です。
内部に見える黒っぽい部分がオリジナル。
何色かのステインを塗り、内部の色合いと合わせ、
K様たってのご希望で、シェラックにて仕上げています。
簡単そうに見えますが、まず、左下の写真の
オリジナルに傷がつかないよう細心の注意を
配りながら、天板と地板の出っ張りを切り落とし、
切り口には同じ色になるなるよう塗装を何重にも
塗りました。
ガラス扉のフレームに内部の格子が隠れぬよう、
上下には天板と地板との間に下駄を履かせ、
接合は全てほぞ組み。
内部の本体がピッタリと入るよう精度もかなり
要求されます。
この細かい格子がなければ、新品をイチから
作った方が楽なくらい!?
これらの金物の御代を伺ったら、目が点になりました。
本体の加工費の1/3以上でした。
(金物が高いのか、うちが安いのか・・・・)
写真でわかるかどうか・・・・・ビスは全て「マイナス」。
確かにご覧のとおり佇まいは美しいのですが、
おまけに真鍮製で柔らかいため、締める側にとっては
「プラス」に比べて圧倒的にドライバーでなめ易く、
マイナスの向く方向もきっちりとそろえなくてはいけないので
・・・・・・・・・・難物でした。
鍵穴も含め、金物は全て掘り込みで収めてありますので
手前味噌ですが非常に美しい仕上がりです。
手間は非常にかかりましたが、
職人として満足のいく出来上がりになったと思います。
K様、末永くかわいがってやってください。
K様はオリジナルをご自分で作られたこともあり、
今回のプロジェクトには非常にこだわりを持たれていたご様子。
市販の金物の安っぽさに我慢できすに、
英国アンティークの家具屋さんに行き、直輸入の真鍮製の金物を
ご自分で購入されて持ち込まれたくらいです。
下の写真がその金物たち。
全て真鍮製で、左からヒンジ、鍵穴とロック機構、扉側のロックのオス。